外観五層六檐の間に四つの暗層があり、内部は九層となる。八角平面の内外二重柱網を梁・枋・斗栱・筋違が環状に結び、通し柱一本ではなく各層の架構が連続して荷重を伝える。
榫卯は、ほぞとほぞ穴などによって木材同士を接合する木組みを指す。一方、斗栱は柱・梁・軒の間に斗・栱・昂などを積み重ねる組物であり、両者は同義ではない。接合部の接触、回転、わずかな滑りが、風や地震に対する複雑な変形特性に関わる。
応県木塔は、八角平面、材分による尺度、内外柱網、層ごとの梁架、斗栱と木組みを統合した遼代中国木造建築の重要例である。「釘を一本も使わない」という通説は絶対化できず、当初材、金属部材、塔刹、後世の補強・修理材を分けて検証する必要がある。

